2017-02-10

豊かな暮らしのつくり方。01ー『もちはもち屋に。』ー


住宅業界に入って早10年以上。

良い家をつくるにはどうすればいいのかがわかってきました。

それは、『もちはもち屋に頼む』ということです。



具体的には(行動順)、



①信頼できるファイナンシャルプランナーを探し、人生の収支計画をつくってもらう。


自分の家計を見てもらい、様々な収支を考慮した上で、

将来にわたって負担の暮らしができる住宅予算を教えてもらう。


家がほしくなったらまず、展示場に行く方がほとんどだと思います。

そうすると、「あれがほしい」「こっちのグレードがいい」と

家への要求でいつのまにか頭がいっぱいになってしまいます。


良い家づくりのスタートはそうではありません。

家ではなく、家族が送りたい人生を考える。


僕は、豊かな人生とは、家ではなく、

こどもや趣味や老後など家以外のことにお金を使える人生だと考えています。


こどもや趣味や老後に比べ、たいてい家を建てることが一番先にくるため、

予算のかけ方を間違ってしまう方が多いんです。


そうならないよう、まずは自分の家族のファイナンシャルプランを立てましょう。



②信頼できる設計士を探し、住宅の設計をしてもらう。


設計士の仕事は本当に多岐にわたります。
参考『設計士が設計する家を。』

良い家づくりは、自分にあった本当に信頼できる設計士と会うことからです。


信頼できる営業マンに会うことも大切ですが、

将来にわたって本当に考えられた良い家を建てるには、

営業マンではなく、信頼できる設計士に会うことが必要です。


営業マンの良し悪しは、家が完成するまでの満足度に関係してきます。

設計士の良し悪しは、家が完成してからの満足度に関係してきます。


家の間取りや使い勝手はもちろん、

光熱費やメンテナンスの頻度、素材が経年劣化しづらい工夫、

安全性、快適性、豊かな時間が過ごせる空間的工夫、、、(もっともっとあります)


設計士の力量で、良い家かそうでない家か、とても大きな差が生まれます。



③信頼できる工務店を見つけ、家を建ててもらう。

はっきり言います。

良い家ができるかどうかは、大工さんで決まります。

設計の段階では、「絵に描いたもち」です。

それを実際に形にするのが大工さんや職人さんです。

大工さんが違えば、同じ図面でも、まったく違う家ができあがります。

パッと見ではわからなくても、

気密性はしっかりしてる? 断熱材は奥までちゃんと入っている?
数年して壁紙がはがれてこない? 扉がきしんでこない?

技術のない大工さんは、技術のない仕事をします。

良い大工さんは、良い仕事をします。

かんながきれいに乗っている。 床材をいいものを選んでくれている。

万が一がないように、気密の処理が入念にされている。

万が一の雨漏りがないように、雨が吹き付けそうな部分の防水は通常よりも入念にされている。

設計では、書いていないようなことも、
良い大工さんは自分の思いと誇りで良い仕事をされいます。


そして、家ができたあと、数十年にわたり、

実際のお付き合いをしていくのも大工さんです。


家を考える数ヶ月に比べ、はるかに長い年月を

大工さんと一緒に家をメンテナンスしていくことになります。


住宅業界では、家が建ったあとにメンテナンスや定期点検にくる大工さんが、

実際に自分の家を建てた大工さんではないことが往々にしてあります。

もちろん、そういう大工さんも甘い仕事はしないと思います。


しかし、あなたが大工さんの身になってみたとき、

自分が建てた家と、建てていない家、

同じ気持ちでメンテナンスや点検ができるでしょうか?


やっぱり人間、自分で建てた家のほうが格段に愛着があります。

不具合があれば早く直してあげたいという思いがあります。


あなたがお願いする工務店の大工さんは、

家が完成してからも、メンテナンスにきてくれそうですか?



そして、もっとも重要なことは、

①信頼できるファイナンシャルプランナー
②信頼できる設計士
③信頼できる工務店

これらを分離して依頼すること。

それぞれプロフェッショナルに依頼すること。

これが、良い家づくりができる条件です。


①②③、全てが完璧な会社はないと思います。

それぞれに都合がありますから、

「あっちを立てればこっちが立たず」になります。


会社には社長がいて
社長は利益を上げようとします。

本音を言えば、一番利益が上がる家を売りたいんです。

できるだけ予算を多くして契約額を増やしたいんです。

できるだけ楽で手間のなく使いまわせる設計をしたいんです。

できるだけ作業が少なくアフターメンテナンスに呼ばれづらい家を作りたいんです。

本音を言えば、今、売られている住宅は、
良い家ではなく「売りやすい家」「クレームがおきづらい家」なんです。

本音を言えば、僕も、設計だけでなく、施工もして、
ファイナンシャルプランもつくる工務店をつくったほうが儲かると思っています。



でも、それはしません。

なぜなら、

「良い家」をつくりたいからです。



良い家をつくるにはどうすればいいかずっと考えてきました。

やっとわかってきました。


『もちはもち屋に。』


これから家を建てられるみなさんが、信頼できる人に出会えることを願っています。

ゆう。


-「超高断熱の小さな家」escnel design-