2017-06-01

豊かな暮らしのつくり方。10 ー『新築住宅03「良い家の条件。2017」』ー


ゆうです^^

前回、「仕様の決まり方(例)」ということで話を書きました。




「間取りや設備のグレードアップの検討が先にきて、

その検討で心身ともに疲れて、予算もギリギリのため、

耐震性や断熱性は深く検討できていない」

ことが往々にあるという話でしたね。


そうならないように、

「間取りなどの打ち合わせに入る前に、
 良い家の条件を知っておこう!」


ということで


今回は、いよいよ


「僕が考える良い家の条件。2017」 


をお伝えしようと思います。

※設計手法などは条件に含めません。あくまでハードとしての条件です。



いつも前置きが長くなってしまうので

今回は端的に結論から書きます!





「僕が考える良い家の条件。2017」


【断熱性】

UA値=0.4以下!


「UA値ってなんじゃそりゃ?」で結構です。

そのときがくればわかります。

今は「UA値=0.4以下」だけ覚えておいてください。

後日、補足でブログを書きます。(←書きました)

今回は概要を伝えるために次にいきます!



【耐震性】

耐震等級3を満たす!


「等級いくつまであるの?」

今は知らなくて結構です。

次にいきましょう。

補足ブログかきました。



認定取得】

長期優良住宅認定取得!

「なんじゃそりゃ?」

いいんです。

長期優良住宅の認定は取得してください。

よくある「長期優良住宅相当」じゃあダメですよ。

しっかり国の認定をとってください。

理由はまた後日に。



【手元に残る書類】

○設計図書一式
 
 平面図・立面図・断面図・配置図・仕様書・展開図・設備図、、、
  
 この当たりは通常どこのメーカーでもあります。

 上記+詳細図が必要です!

 ポイントは 
 ・雨漏り対策、屋根や壁の換気経路、
  シロアリ対策、壁内結露対策
   など耐久性に関する内容が確認できる図面があるかどうか。
 
 ・断熱材の仕様、気密の仕様
   に関する内容が確認できる図面があるかどうか。



○構造計算書一式
 ※長期優良住宅認定時に中身を確認して認定してもらったもの
 
 耐震等級3が満たされているか確認してください。
 
 構造計算書が手元に残っていないと、
 本当に規定の性能があるのか第三者が判断できません。




○断熱性計算書一式
 ※長期優良住宅認定時に中身を確認して認定してもらったもの
 
 UA値が規定の数値であるか確認してください。
 
 断熱性計算書が手元に残っていないと、
 本当に規定の性能があるのか第三者が判断できません。





○工事監理記録一式
 ※担当建築士本人による工事監理(現場が図面どおりにできているかの点検作業)
  が行われた記録一式。
  
  特に重要なのは、住んでから見えなくなってしまう
 基礎、構造、屋根、壁内、などの写真付きの記録です。




ーーーー

差し当たり、最低限の「僕が考える良い家の条件」は以上です。

まとめると、

家のハード的な条件は

○「断熱性:UA値=0.4以下確保」

○「耐震性:耐震等級3確保」

だけですね。

最低限の条件のため、最低限の項目にしぼっています。


そのほかの条件は「家の内容を担保するための資料」でした。

○長期優良住宅認定取得

○設計図書一式、構造計算書一式、断熱性計算書一式、工事監理記録一式。


「家の仕様を担保するための書類」の条件のほうが数が多いですね。

その理由は長くなるので後日補足ブログを書きます。(←書きました)




ーーーー

「良い家の条件とはなにか」


僕が考える良い家の条件とは、



「20年後に、もう一度家を建てるとしたらなにを優先するか。」


「中古住宅を買うとしたら、ほしい情報はなにか。」




この2点を考えながら導き出しました。


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「20年後に、もう一度家を建てるとしたらなにを優先するか。」

僕は今、築35年の妻の実家に住んでいます。

住めば都です。

新築のように今風なオシャレな感じはありませんが、
古い家でも十分満足して住んでいます。

しかし!

我慢できない(改善したい)ことが2つあります。

冬の寒さ耐震性です。

毎年冬になると、廊下が寒くて嫌になります。

毎朝、布団から出るのがつらいです。

夜にトイレに行くのも億劫です。

こればっかりは人間、何年たっても慣れません。

断熱性は、「快適性」と「光熱費」だけでなく、


「心の健康」

にも作用してくるんです。




また、この家は中越沖地震で被災し、全壊となりました。

家を直すのに、新築住宅を建てるのと同じくらいのお金がかかりました。

昔の耐震基準だったからです。

耐震性は、「安全性」だけではなく、


「修復のための金銭的な負担」

にも影響してくるんです。



ーーーー

「中古住宅を買うとしたら、ほしい情報はなにか。」


中古住宅を買おうと見学したとき、

たいてい、中古住宅は見た目はきれいになっています。

エアコンガンガン運転で無理やり快適にしているかもしれません。

「断熱性」や「耐震性」は体感ではわからず、上記の資料がないと判断できません。


また、資料があっても、本当にその通りに施工してあるかどうかは、

工事監理記録がないとわかりません。

これらを確認しないでの中古住宅購入は、もはや

「バクチ」

と言ってもいいかもしれません。


「なんとかなるでしょー。」で買った中古住宅。

初年度の暖房費が月数万。

抑えるために、リビングのみの暖房にして廊下やお風呂は極寒。

そしてもし地震が起こったりしたら、、、



僕が考えた「良い家の条件」がいかに重要か感じてもらえたのであれば幸いです。



また、「中古住宅を買うとしたら、ほしい情報はなにか。」ということは、

「建てた家を売る」


ことを想定しているということです。



これからの時代、30年後、40年後に、

どのような社会環境になっているかは誰もわかりません。

ひとつ言えるとすれば、

生活スタイルは「多様化」していることでしょう。

セカンドライフで海外に住むこともあるかもしれません。
(積極的な理由の場合もあれば、支出を減らすために物価の安い国に行く。
 日本に仕事がないため仕事のある海外に行くなどの消極的な理由の場合もあるかもしれません。)


介護施設に入るかもしれません。


田舎にはスーパーや病院が無くなり、不便になり、
都市部に出るためマンションに移住するかもしれません。


県外にいる子供のところに行くかもしれません。



これからの時代、

建てた家で一生を過ごすことは稀

になっていくかもしれません。



そうなった場合、

中古で住宅を売る必要が出てきます。

売るなら、少しでも高く、正当な価格で売りたいですよね。

そのときに、あなたがいくら

「良い家なんですよー」

と言っても価格はあがりません。


第三者が見ても価値が判断できる資料がないと「良い家」と信じる根拠がないからです。

あなたが買い手の立場であれば当然ですよね。


そういった意味も含めて、


「家の内容を担保するための資料」を「良い家の条件」に上げています。





僕があげた「良い家の条件」は、

正直、すべてを真面目に満たしているメーカーは少ないと思います。


しかし、僕は、

上記の条件を最低限満たすことが

「良い家の条件」だと考えています。



ーーーー

まずは「判断基準」を持つということ。

判断基準があれば、比較ができます。

気づきがおきます。

疑問がわきます。

それはきっとあなたの家を良い家にするサインなんだと思います。


営業マンや多数派の流れに飲み込まれず、

自分のなかに信じられるものを築いていってください。

誰のためでもなく、

あなたと、あなたの家族のために。


書きながら熱くなってしまい、
文章が長くなってしまったことを少し反省している
ゆうでした。